診療科・部門のご案内

整形外科


当科のご案内

整形外科は、身体運動器を構成する骨・関節・筋・神経系を対象としています。

骨折・靱帯断裂など外傷によるものを中心に、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症など慢性疾患まで幅広く診断、治療を行います。

特に大腿骨近位部骨折については、早期に手術を行いADLを維持するよう力を入れて取り組んでおります。

診療科特集

人工関節手術の最前線

(病院広報誌「済生会まつやま」第58号 特大号より抜粋)

(PDF/2.7MB)

主な対象疾患と診療内容等

主な対象疾患

疾患別診療内容等

大腿骨近位部骨折

太ももの骨(大腿骨)の足の付け根に近い部分での骨折です。関節の袋(関節包)の内側で骨折する大腿骨頚部骨折と、外側で骨折する大腿骨転子部骨折とに分けられます。関節包の外側は血流がよいために骨がくっつきやすいのですが、内側は血流がわるいためになかなか骨がくっつきません。そのため治療法が異なります。

大腿骨近位部骨折

高齢者・特に女性に多く、骨粗鬆症などで骨がもろい状態で起こりやすくなります。95%は転倒により起こりますが、特に原因が思い当たらず、イスに座る動作などで骨折する場合もあります。
日本では年間10万人以上の方が受傷しており、今後も増え続けることが予想されます。

大腿骨近位部骨折図解
症状

典型的には骨折した直後から足の付け根の痛みと腫れがあり、歩くことができません。ただし頚部骨折の場合、骨折部のズレが小さい場合には歩けることがあり、しばらく気づかないことがあるので注意が必要です。

合併症

大腿骨近位部骨折は単に骨が折れたということだけではすまず、様々な問題を引き起こします。痛くて歩けないまま寝たきりになってしまい、褥瘡(床ずれ)・尿路感染症・肺炎などを合併し、命に関わるような場合もあります。 また歩行能力が骨折後は1ランク落ちることが予想されます。

治療法

大腿骨頚部骨折は骨折部のズレが小さい場合は骨接合術、ズレが大きい場合には骨癒合がなかなか得られにくいので、人工骨頭置換術を施行します。当院の人工骨頭置換術の特徴は、前方からの展開法を用いている点が挙げられます。一般的に広く用いられている後方からの展開法と比較して、術後の疼痛が軽く、そのためにリハビリの進行が早い点、脱臼という合併症の起こる確率が低い点などがあります。頚部骨折でズレが大きくさらに全身状態が悪いような患者様には、保存的治療を選択することもあります。骨は癒合しませんが、一か月ほどで痛みはとれ、車椅子には移動できるようなレベルに戻ることは可能です。

以上のように骨のことだけでなく、全身状態にまで気を配っていく必要があります。早期に治療を行うことが合併症発生のリスクを減らし、元の状態に回復するために必要と考え、当院では入院後平均1.4日で手術を施行しております。

骨粗鬆症

骨量の減少・骨の微細構造の劣化により骨の脆弱性が増し、骨折の危険性が増加した状態です。骨量は30才をピークに自然に減少してくるものですが、女性は閉経を境にさらに減少します。骨粗鬆症の状態はのちに些細な転倒により、胸腰椎圧迫骨折・大腿骨近位部骨折・橈骨遠位端骨折などを引き起こす原因となります。
骨粗鬆症の疑われる方は、骨塩量測定・血液検査などで診断し、積極的に治療を行っています。

変形性膝関節症

膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力低下が要因となって、膝の関節に炎症を起こしたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。
正座ができない・いすから立ち上がる際に痛みが出る・階段の昇降ができないなどの症状がでます。さらに炎症がひどくなると膝が腫れたり、水がたまったりするようになります。軟骨は一度すり減ると元の形に修復されることはありません。
当院では、内服・湿布・関節注射だけでなく、運動療法を行うことで膝の機能を高めていくようにします。
これらの治療でも痛みが緩和されない場合は人工膝関節置換術などの外科的治療を行います。

肩関節周囲炎

中高年でよく見られる疾患です。肩峰下滑液包・腱板・上腕二頭筋長頭腱などに炎症を起こすことにより発症します。

明らかな原因がなく、突然の肩関節の痛みを引き起こします。安静にしていても痛みは強く、夜間に激しいのが特徴です。その痛みは腕に放散します。肩から手までしびれると訴えて来院される方もおられます。さらに肩関節の動きも制限されるので、シャツの着脱・結髪・結帯動作ができなくなります。

内服・湿布・注射などで痛みをおさえ、適切に運動を行うことにより治療可能です。

早期診断、治療が重要です。

腰部脊柱管狭窄症

腰椎部の脊柱管(脊髄の枝である馬尾が通る空間)が様々な原因により狭くなり、神経組織が圧迫される病気です。

腰痛・下肢のしびれ・下肢の筋力低下・膀胱直腸障害・間欠性跛行など症状が現れます。間欠性跛行は本症に特徴的な症状で、歩行・立位時間が長くなるにつれて下肢のしびれ・痛みが生じるが、座って少し休むことにより軽快するというものです。症状が悪化すると痛みが生じるまでの時間が短くなってきます。

診断は単純X線写真・MRIにて脊柱管の狭窄を確認することでできます。

内服・装具・ブロック注射にて症状の緩和をはかり、ADLの維持に努めます。筋力低下、膀胱直腸障害が出現するようになり、日常生活に問題が出るようであれば、外科的治療を行います。

診療実績

●外来(R2年度) ●手術(R2年度手術件数)
総数 16944人 総数 522件
・患者数 64人/日 ・大腿骨骨折 151件
・新患数 9人/日 ・その他の骨折 264件
・紹介患者数 637人/年 ・人口関節置換術 17件
    ・その他 90件

 

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 副院長 田窪 健二 たくぼ けんじ
田窪 健二
担当診療科 / 所属部門 整形外科
専門医・認定等 医師免許取得年月:平成3年5月
日本整形外科学会専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本整形外科学会リウマチ医
学会認定・自己血輸血責任医師

※2022/06/01時点
メッセージ  
 
 部長 高須 厚 たかす あつし
高須 厚
担当診療科 / 所属部門 整形外科
専門医・認定等 医師免許取得年月:平成21年4月
日本整形外科学会専門医
AO Trauma Japan 上級会員

※2022/06/01時点
メッセージ 手術加療については一般的な疾患・外傷の手術であっても、受けられる方はその1回の手術が全てです。妥協を許さず、期待に応えられる治療を行っていきたいと思います。 医学的な適応を踏まえた上、背景・環境・患者様のニーズを総合的にみて、少しでもより満足いただける医療を提供できるようお手伝いしたいと考えています。
 
 医長 岩本 昌也 いわもと まさや
 
 医長 伊藤 輝人 いとう あきと
 
 医師 佐々木 崚 ささき りょう
 
 非常勤医師 玉井 貴之 たまい たかゆき
 
 非常勤医師 井関 順正 いせき じゅんせい
 
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