当科のご案内
泌尿器科では、主として尿路疾患と男性性器疾患を取り扱います。
これらの疾患には、前立腺癌、膀胱癌、腎癌などの悪性疾患や、前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱、尿路結石、尿路感染症(前立腺炎、腎盂腎炎、膀胱炎など)、腎不全、勃起障害(ED)などがあります。
尿が出にくい(排尿困難)、尿が近い(頻尿)、トイレまで尿を我慢できない(尿意切迫感)、尿が漏れる(尿失禁)、尿が出るときに痛い(排尿時痛)、痛みの無い血尿(無症候性肉眼的血尿)、検診で尿に血が出ているといわれた(尿潜血)などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
・学会認定施設
・日本泌尿器科学会 専門医教育施設
・日本透析医学会 教育関連施設
外来受診について
初診の患者さんは、外来処置室で検尿コップを受け取りトイレで採尿していただきます。
また、問診表をお渡しいたしますのでご記入をお願いいたします。
当院は再診患者さんに関しては、予約制をとっております。再診予約が混み合っており、混雑状況によっては、紹介状を持って新たに受診された方でも1-2時間お待ちいただく場合があります。
待ち時間のご負担をできるだけ軽減する目的で、当科受付の際、混雑状態をみて、その診察時間をお知らせするようにいたしております。ご了承ください。
特徴・得意分野
プライマリーケアから先進医療まで可能な診療体制を目指しております。また松山西部地区の中核病院として大病院には無いアットホームで、きめの細やかな全人的医療を提供できるように心がけております。
当科では、泌尿器科一般の診療を行っておりますが、特にがん治療、前立腺肥大症、尿路結石を中心とした診療を行っております。
がん治療
診断 | CT,MRI,シンチグラフイー、超音波、膀胱ファイバー等で行ないます。 |
治療 | 低侵襲手術を積極的に行っております。 また抗がん剤治療等の集学的治療も積極的に行っております。 |
尿路結石
内服治療から、内視鏡的砕石術まで行っております。
診療科特集
主な対象疾患と診療内容等
主な対象疾患
疾患別診療内容等
前立腺癌
前立腺癌の診断と治療
生活様式の欧米化に伴い、日本人男性の前立腺罹患数は年々増加しており、2020年代のうちに男性癌の第一位の罹患数になると予想されています。
前立腺癌は初期には全く症状がなく、血液検査でPSA(前立腺腫瘍マーカー)を測定することが早期発見につながります。
一般的にPSA 4.0ng/ml以上の方(年齢や服薬状況により異なることがあります。)には「前立腺生検」という入院精密検査をお勧めしております。
一泊二日の検査入院をしていただき、局所麻酔下に経直腸的な針生検を行います。
合併症として、出血や発熱が挙げられます。
早期に発見された前立腺癌は、適切な治療を受けていただければ命にかかわらないことが多く、長寿社会となった現在、PSA高値である方にはぜひとも受けておいていただきたい検査です。できるだけ患者さんの痛みが少ない検査を心がけております。
また、癌が検出された際には、患者さんの年齢、全身状態、悪性度、ご希望などを勘案し、最適な治療法を提示させていただきます。 手術療法に関しては愛媛大学附属病院、県立中央病院などの手術支援ロボット導入施設をご紹介いたします。
放射線治療に関しても愛媛大学附属病院、県立中央病院などの施設をご紹介いたします。
また、内分泌(ホルモン)療法、化学療法などを提供することもできます。
検診、他院の採血検査などでPSA高値を指摘された方、前立腺癌の心配がある方、お気軽にご相談ください。
膀胱癌
膀胱癌の診断と治療
膀胱癌と診断される方の最も多い症状は「無症候性肉眼的血尿(痛みはなく、赤いおしっこが出るのみ)」です。時として、この無症候性肉眼的血尿は自然に止まることがあるため、なんとなく安心されて受診が遅れてしまうことがあります。
赤いおしっこが出た際には、泌尿器科を受診しましょう。 膀胱癌の診断は主に膀胱鏡で行います。多少不快感を伴いますが、外来で短時間で済ませることのできる検査です。また、補助的な検査として尿細胞診(おしっこに癌細胞が出てないかどうか確認する検査)やCT検査を用います。
膀胱内に腫瘍を認めた場合は、まずTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を受けていただくことになります。脊椎麻酔(下半身麻酔)で行う、お腹を切らない(尿道から専用の器具で腫瘍のみを削り取ります。)手術です。手術でとれた腫瘍を検査し、腫瘍の性状(癌かどうか)、悪性度、深さを確認します。これらの情報をもとに追加治療の有無が決まります。 当院ではTURBT、筋層浸潤癌に対しては体に負担の少ない腹腔鏡下膀胱全摘除術、転移性膀胱がんに対しては抗がん剤治療と、膀胱癌全体を網羅した治療が可能です。
腎癌・副腎腫瘍
腎癌・副腎腫瘍の治療
腎癌はかなり大きくなるまで症状が乏しく、現在では他疾患の検査(主にCT検査)で偶然見つかることが多い病気です。基本的には手術療法となります。当院では小さな創で患者さんの負担が少ない腹腔鏡下腎摘除術を主に行っております。また小径腎腫瘍に対してはできるだけ腹腔鏡下腎部分切除術(腎臓の正常な部分を残して、腫瘍だけを切り取る)を行うようにしています。また、転移性腎癌に対しては分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などを用いた治療を行います。
副腎腫瘍は性質により高血圧にかかわっていたり(ホルモン産生腫瘍)、大きいものでは癌が疑われたりします。多くの場合、内科診察、検査で見つかり手術療法を目的に泌尿器科を受診されます。当院では副腎腫瘍に対しても小さな創で患者さんの負担が少ない腹腔鏡下摘除術を主に行っております。
尿路結石
尿路結石は7mm以下のサイズであれば自然排石することが多いため、内服治療が基本となりますが、サイズがそれ以上であれば自然排石する可能性が低く、腎機能障害の原因となるため外科的治療の対象となります。
また、サイズが小さくても痛みが強い場合や、発熱、水腎症を伴う場合も治療の対象となります。
内視鏡的結石破砕術は通常3-7日程度の入院が必要です。
当院では、レーザーを導入しており、経尿道的に内視鏡手術を行っております。
骨盤臓器脱
骨盤臓器脱の新しい治療を始めました。
骨盤臓器脱とは?
女性特有の疾患です。女性の骨盤臓器(膀胱、子宮、直腸)は骨盤底筋群などの支持組織によって支えられています。出産、加齢、過剰な腹圧(力仕事など)により、支持組織の損傷・緩みが起きると、膣から膀胱、子宮、直腸などが飛び出して来ることがあります。
骨盤臓器脱の症状は?
膣からピンポン球の様なものが触れられたり、飛び出したりします。(「なすびが出る。」と表現される方もいます。)人によって、違和感・痛みを感じることがあります。出血、排尿困難の原因となったりもします。
骨盤臓器脱の治療は?
保存的治療:骨盤底筋体操、ペッサリー治療
手術療法:骨盤臓器脱メッシュ手術、腹腔鏡手術
当院では骨盤臓器脱(膀胱脱)に対し、腹腔鏡下膀胱脱手術を始めました。
全身麻酔下で腹部に4カ所(場合により5カ所)の小さな創を開け、腹腔鏡のカメラや器具を使用して子宮の一部を摘出し、膣をつり上げることにより、正常な膀胱、膣、直腸の位置関係を再現します。 骨盤臓器脱に対する最も新しい治療で、従来の手術方法に比べ、痛みが少なく、再発率が低いと言われています。 手術時間は3-4時間程度、入院期間は一週間程度となります。
是非お気軽にご相談ください。
頻尿(難治性過活動膀胱)
頻尿(難治性過活動膀胱)の新しい治療を始めました。
過活動膀胱とは?
「尿意切迫感(おしっこを我慢し難い感覚)」を伴う頻尿、切迫性尿失禁など。 早ければ40歳代頃から症状が出現し、年齢とともに患者さんは増加します。
難治性過活動膀胱とは?
過活動膀胱による頻尿、失禁に対して一般的に行動療法(飲水制限、膀胱訓練など)や、抗コリン剤、β3アドレナリン受容体作動薬などを用いた薬物療法が行われます。 これらの薬物療法を少なくとも12週間継続しても効果が得られない方、もしくは副作用で薬物療法を続けられない方を「難治性過活動膀胱」と診断します。
当院でもボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が受けられるようになりました。
従来、難治性膀胱炎に対する効果的な治療はありませんでしたが、2000年に「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法」が過活動膀胱、神経因性膀胱の治療として海外で始められ、高い有効性と安全性から欧米を中心に普及しました。2020年4月から我が国でも新たに保険適応となり、当院でも施行できるようになりました。
ボツリヌス毒素はこれまでに日本でもまぶたや顔面のけいれん、手足の姿勢異常、腋窩多汗症、斜視などに治療薬として用いられている安全性の高い薬です。 頻尿は直接命に関わる症状ではありませんが、日常生活の質に関わる非常に煩わしい症状です。従来の内服薬で効果が得られなかった方に、この新規治療は朗報といえるでしょう。
治療を受けるにあたり、いくつかの条件があります。(排尿状態、泌尿器科以外の病気の既往、内服薬など)
ぜひお気軽にご相談ください。
NCD
National Clinical Database(日本臨床データベース機構,NCD)登録事業について
当院では、一般社団法人National Clinical Database (日本臨床データベース機構,NCD)に参加しており、当院で手術を受けられた患者さんの手術データを登録させていただいております。
みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
詳しくは 【患者さん向け説明文書】 もしくは 【NCDホームページ】 をご覧ください。
【NCDホームページ】http://www.ncd.or.jp
担当診療科 / 所属部門 | 泌尿器科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:昭和50年6月 日本泌尿器科学会専門医 日本泌尿器科学会指導医 日本透析医学会専門医 日本透析医学会指導医 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 当院泌尿器科では、内視鏡手術を中心に泌尿器疾患、男性生殖器疾患に対して治療を行っています。特に、尿路結石、男性更年期疾患のほか、腎がん、膀胱がん、前立腺がんなど尿路悪性腫瘍に対し低侵襲な治療を行っています。また、治療方法の選択に関しては、常に患者さんと情報を共有することを心がけていますので、ご質問があればお気軽にご連絡ください。 |
担当診療科 / 所属部門 | 泌尿器科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:平成12年5月 日本泌尿器科学会専門医 日本泌尿器科学会指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本泌尿器科内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定 手術支援ロボット daVinci使用認定医 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 泌尿器科悪性腫瘍(腎がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がんなど)の診断、手術を中心とした治療を専門としておりますが、がんのことだけでなく「シモの困った」よろず引き受けます。お気軽にご相談ください。 |
担当診療科 / 所属部門 | 泌尿器科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:令和2年3月 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 患者さんに寄り添った診療を心がけてまいります。 お気軽にご相談ください。 |
担当診療科 / 所属部門 | 泌尿器科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:令和2年3月 ※2024/05/10時点 |
メッセージ | 「敷居の低い泌尿器科医」をモットーに診療にあたっています。 地域のために精一杯頑張ります。 |