当科のご案内
当院循環器内科は、①高性能機器を用いた、正確で迅速かつ低侵襲な診断の確立、②若・中年から超高齢者までその患者さんの状況に合わせた医療を提供する、③心臓リハビリテーションを積極的に導入することで患者様のADL(日常生活動作)を向上させ、入院期間を短縮させてよりよい状況で退院あるいは転院可能な状態を作り上げる、つまり、入口から出口まで一貫性のある医療を提供してまいりました。今後も、新しい診断・治療技術を開発・導入することで可能な限り患者さんの負担の軽減と安全性の確立を目指していく所存です。
病棟のモニター監視システムについては、巡回看護師がiPad端末にて移動時でも速やかに患者情報が得られるシステムを導入しております。また、当院は22床の規模で地域包括ケア病棟を有しており、急性期病院ならではの亜急性期患者の管理が行える病棟として管理・運営しております。従来であれば十分な心臓リハビリテーションができないままに転院・退院せざるを得なかった患者様に対し継続した心臓リハビリテーションを提供することが可能となっております。
また愛媛大学第2内科と喜多医師会病院の発案で県内の基幹病院中心で始まった「心電図検定」試験受験のための勉強会や検討会により、循環器医師のみでなく、メディカルスタッフの多くの方々が心電図に興味を持ち、研鑽に励んでいます。当院からも多数のスタッフの方々が試験を受け、合格されています。今の医療は、どんなに優れた医師がいても一人ではほとんど何もできません。優れたチーム医療の確立が大切です。そのために、メディカルスタッフの方々共々、このように研鑽を励む体制が進行していることは患者様にとっても非常に良いことと自負しております。
最後に、毎月一回「心臓病予防教室」を年に二-三回「院外心臓病予防教室」を開催しておりますので、是非ご参加されて心臓病に対する知識を深めていただけたら幸いです。 (「心臓病予防教室」ぺージへ)
主な対象疾患と診療内容等
主な対象疾患
疾患別診療内容等
高血圧
高血圧という病気は症状がわかりにくい病気です。そのため発見が遅くなり、またせっかく検診で高血圧を指摘されても受診されない方が多いのが現状です。もし、症状のでたときにはかなり進行していますし、特に心臓肥大や腎障害を合併すると予後にも影響しますので、早めの受診が必要です。
狭心症、心筋梗塞
狭心症は冠動脈という心臓を養っている血管に狭いところが生じ、心臓に十分な血液が供給されなくなる状態を表しています。心筋梗塞はこの冠動脈が完全に詰まってしまった状態になります。
心筋梗塞になるとその25%の方が1時間以内に死亡するといわれていますので、できるだけ早い対応が必要です。しかし、もっとも大切なことは、心筋梗塞になる前の狭心症の段階で適切な治療をうけることですので、胸に違和感が生じたときや、検診で心電図の異常を指摘されたら、早めの受診が必要です。
心不全
心不全とは病態の名前で、いろいろな原因(狭心症、心筋梗塞、高血圧、心臓弁膜症、心筋症、感染性心内膜炎など)によりひき起こされます。
心不全になると軽い労作でもすぐに息切れがしたり、夜に横になれずに呼吸が苦しくなったり、体がむくんでだるくなったりします。
ひどくなると呼吸困難になり緊急入院が必要になります。一度入院するような心不全を経験しますと、予後が非常に悪くなりますので、原因になる病気をしっかりと把握し、早めの治療を行うことが肝心です。
不整脈
不整脈とは、正常の脈拍(通常は1分間に60-100回)から脈が速くなったり、遅くなったりまた規則正しく脈が打たなくなったりする病気です。
直ちに治療が必要になる重症なものから様子をみても大丈夫な軽症のものまで大きく程度に差が有ります。正確な診断には24時間心電図や運動負荷心電図、あるいは必要に応じて入院の上、精密検査が必要なこともあります。
検査について
外来で行なう検査と入院が必要な検査があります。
安静時心電図 | 検診などで行なう通常の検査 |
負荷心電図 | 階段の昇り降りや、ローラーの上を歩きながら行う検査 |
ホルター心電図 | 小さな機械を使って約24時間継続でとる心電図検査 |
心臓超音波検査(心エコー) | 心臓の形態や壁の動きをチェックし、心不全や弁膜症の程度や重症度がわかります。 |
心臓カテーテル検査 | 手や足の動脈から血管内にビニールでできた細いカテーテルを挿入し、そこから造影剤を流すことによって、心臓の動く様子や心臓を養っている冠動脈の動脈硬化の有無を調べる検査です。検査だけなら30分前後でおわります。もし血管が詰まってたり、流れが悪くなっていた場合には内科的手術(PCI;ステント療法)や外科的なバイパス手術が必要になることがあります。 |
心筋シンチ | 心臓の筋肉に集まる薬を投与して、心臓の筋肉における代謝や神経の状態、そして心臓を養っている冠動脈という血管の血流状態などをチェックします。 |
心臓CT | 平成20年2月に世界最高水準のCTを導入し、心臓CTの検査が外来でできるようになりました。当院のCTの特徴は 非常に高速(他機種の約2倍)で撮影できるため、あらかじめ脈拍を遅くする処置を必要とせずに撮影することができ、またそのために非常にクリアーな画像を得ることも出来ます。その機能を活かし当院では動脈硬化・心臓ドッグを実施しております。詳細は動脈硬化・心臓ドック・肺癌ドックのご案内をご参照ください。 |
その他 | 採血を行ない、血圧に影響を与えるホルモンや心不全の状態、他の臓器(たとえば腎臓や肝臓)の状態を調べます。そのほかにレントゲン検査や尿検査などを行い、心臓だけでなく全身状態も正確に判定できるように努めています。 |
治療について
経皮的冠動脈形成術・ステント留置術
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)に対する血管内治療は、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、血管の内側から狭窄部位を削ったり、拡張したり、ステントを留置する手術です。
また、当院は石灰を削り取ることができるロータブレーターというダイアモンドチップがついたカテーテルを毎分14-20万回転という高速で回転させて血管内の石灰化プラークを削る方法も行います。
冠動脈カテーテル治療のワークショップ開催
〜石灰化病変へ挑む〜
済生会松山病院 循環器内科では、3月、5月に冠動脈カテーテル治療のワークショップを開催しました。
高齢化社会で動脈硬化もより高度となっており、冠動脈には石灰化と呼ばれる硬い病変がある患者さんも多く、風船やステントでは押し広げられないことが多々あります。2020 年の施設基準改定により当院でも石灰化病変に治療効果を発揮する高速回転アテレクトミー(ロータブレーター)が使用可能となり、2023年からはダイアモンドバックという新しいデバイスも導入しました。
そこで今回は石灰化病変にターゲットを絞り、3月15日に倉敷中央病院 循環器内科 田中裕之先生、5月24日は京都桂病院 心臓血管センター 小林 智子先生をお迎えして、両日とも実際に患者さんのカテーテル治療を行って頂き、お昼には講演会を通じて、院内スタッフと一緒に勉強させて頂きました。
エキスパート医師の手技を間近で拝見し、細かなチップスや注意点についても拝聴出来たことは、スタッフ一同大変勉強になり、モチベーション向上にもつながりました。今後も循環器チーム一丸となって患者さんの治療に取り組んでいきたいと考えています。
診療実績
心エコー |
経食道エコー | 冠動脈CT | 心臓MRI | 心筋シンチ検査 | カテーテル検査 | カテーテル治療 | ペースメーカー治療 | |
2019年度 | 3,522件 | 17件 | 600件 | 57件 | 172件 | 81件 | 111件 | 24件 |
2020年度 | 3,228件 | 7件 | 541件 | 44件 | 149件 | 56件 | 117件 | 32件 |
2021年度 | 3,596件 | 7件 | 560件 | 78件 | 139件 | 64件 | 149件 | 30件 |
担当診療科 / 所属部門 | 循環器内科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:昭和61年5月 医学博士号 日本内科学会内科認定医 日本循環器学会循環器専門医 日本循環器学会循環器指導医 日本医師会認定産業医 日本心血管内視鏡学会認定医 日本心血管インターベンション治療学会名誉専門医 日本内科学会評議員 日本循環器学会評議員 日本心血管インターベンション治療学会中国四国地方会幹事 日本心臓核医学会評議員 日本血管内視鏡学会理事 日本心血管画像動態学会評議員 愛媛大学医学部臨床教授 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 「人間万事塞翁が馬」 患者様一人ひとりに合ったテーラーメード治療を心がけています。 |
担当診療科 / 所属部門 | 循環器内科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:平成7年7月 日本内科学会認定医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会専門医 日本老年医学会専門医・指導医 日本心血管インターベンション治療学会認定医・専門医 日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士 認定産業医 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 丁寧な診療を心がけています。 |
担当診療科 / 所属部門 | 循環器内科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:平成10年5月 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会専門医 日本医師会認定産業医 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 患者様を一人一人丁寧に診させて頂きます。 |
担当診療科 / 所属部門 | 循環器内科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:平成21年4月15日 内科学会認定医 日本循環器学会専門医 日本内科学会総合内科専門医 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 地域の皆様のお役に立てるよう一生懸命頑張ります。 |
担当診療科 / 所属部門 | 循環器内科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:平成30年3月 日本専門医機構内科専門医 日本心血管インターベンション治療学会認定医 ※2024/07/01時点 |
メッセージ | 皆様のお役に立てるよう一生懸命頑張ります。 |
担当診療科 / 所属部門 | 循環器内科 |
専門医・認定等 | 医師免許取得年月:令和4年3月 ※2024/05/10時点 |
メッセージ | 地域の皆さまのお力になれるよう精いっぱい努めます。 よろしくお願いします。 |
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 | ||
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循環器内科 | |||||||
午前 | 再診 |
渡辺 | 佐伯 | ― | 渡辺 | 佐伯 (2・4週) |
担当医 (1・3週) |
石村 | 吉井 | ― | 吉井 | 末廣 | |||
初診 |
担当医 | 担当医 | ― | 担当医 | 担当医 | 担当医 | |
予約 |
― | ― | 担当医 | ― | ― | ― | |
午後 | 急患 | 午 後 担 当 医(紹介・救急のみ) | ― | ||||
予約 | 渡辺 | ― | ― | 渡辺 | ― | ― | |
禁煙外来 | |||||||
午後 | 予約 |
― | ― | ― | 渡辺 | ― | ― |
呼吸器内科 | |||||||
午前 | 初診 再診 |
― | ― | ― | ― | 八木 | ― |
心臓血管外科 | |||||||
午後 | 初診 再診 |
西村 (1・3週) |
― | ― | ― | ― | ― |
腎臓内科 | |||||||
午前 | 初診 再診 |
― |
― | ― | ― | ― | 上村(1週) 岡(3週) |