診療科・部門のご案内

腎臓内科


当科のご案内

 腎臓には「体液の量と成分を一定に保つ」、「日々体内で産生される毒素を排泄する」という重要な機能が備わっています。このため、腎臓の機能が高度に低下した場合、生命を維持していくための腎臓の機能を肩代わりする治療が必要になります。この治療は腎代替療法と言われており、血液透析療法、腹膜透析療法、腎移植が含まれます。いずれも負担が少なくない治療です。腎臓内科では早期から腎疾患に対して治療介入を行うことで、腎臓の機能をできるだけ長持ちさせて、腎代替療法に至るまでの期間をできるだけ先に延ばすことを目標としています。

主な対象疾患

 腎臓内科の診療の対象となる腎疾患には慢性腎臓病、急性腎障害、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病関連腎臓病、腎硬化症、常染色体優性多発性嚢胞腎などがあります。健康診断などで蛋白尿や腎機能(eGFR)の低下を指摘された方は、上記疾患に該当する場合がありますので、適切な診断・治療を受けるために腎臓内科を受診することが望ましいと考えられます。

増えている慢性腎臓病(CKD)

 慢性腎臓病とは原因疾患に関わらず健康に影響を与える腎臓の構造や機能の異常が3ヶ月を超えて持続する病態です。慢性腎臓病の英語標記はChronic Kidney Diseaseであり、その頭文字をとってCKDともいわれています。

 尿検査で腎障害の指標である「蛋白尿」が持続的に陽性である、あるいは/かつ、血液検査で腎機能の指標である「eGFR」が持続的に60 mL/分/1.73m2未満であれば、CKDに該当します。日本では成人の5人に1人がCKDに該当するという推計結果もあります。特に高齢者ではCKDに該当する方が少なくありません。CKDが進行すると腎代替療法が必要な末期腎不全に至ります。末期腎不全の原因疾患としては糖尿病性腎症(糖尿病関連腎臓病)が最も多く、腎硬化症、慢性糸球体腎炎がこれに続きます。CKDの治療では、治療方針を決めるためにCKDの原因疾患をできる限りはっきりさせることが重要です。

検査について

 腎疾患に関する検査として、血液検査、尿検査、画像検査(腹部超音波検査やCT検査)があります。さらに、腎臓の組織の一部を採取して、病理学的診断により腎障害の原因を突き止める腎生検という検査が必要になることがあります。

 *腎生検については現在当院で実施できるような体制を構築中です。準備が整うまででの間、腎生検が必要と判断された患者様は他院の腎臓内科を紹介させて頂いております。

治療について

 CKDの進行抑制効果がある薬剤としては、血圧が高く、蛋白尿が認められる場合にはACE阻害薬もしくはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が有効です。また、最近ではSGLT2阻害薬という薬剤にもCKDの進行抑制効果があることが証明されました。この薬は特に蛋白尿を認める患者様に有効です。糖尿病を合併したCKD患者様ではミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の有用性が認められています。

 その他、糸球体腎炎やネフローゼ症候群では腎生検検査等の結果により副腎皮質ステロイド薬が有効な場合があります。また、多発性嚢胞腎では腎嚢胞の増大速度が早い場合には、トルバプタンという薬剤を使用することがあります。

 腎機能が高度に低下して腎代替療法の必要性が高くなった際には、医療従事者と患者が医学的、社会的な情報を共有し、どの腎代替療法を選択するかを一緒に考え、決めるようにしています。

 

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 主任部長 三好 賢一 みよし けんいち
 
 医師 中田 美月 なかた みづき
 
 非常勤医師 上村 太朗 かみむら たろう
 
 非常勤医師  岡 英明 おか ひであき
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腎臓内科
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三好賢 中田 上村(1週)
 岡(3週)
*この表は随時変更することがあります。
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